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色とりどりの野菜、エビの赤やイカの白、かまぼこのピンクが目にも楽しい“チャンポン”。
 皆さんは、細い蒸し麺が特徴の“戸畑チャンポン”を知っていますか? 戸畑の市場や食堂で親しまれている、昔ながらの味わい“戸畑チャンポン”の魅力に迫ります。
ひと味違うちゃんぽん
蒸した細麺、トンコツ系スープ、たっぷりの野菜に、鶏やイカゲソのから揚げなどを入れた具…。 “とばたっ子”ならだれもが食べたことがあるなじみの味、戸畑チャンポン。「細いサラリとした麺、イカや練りものの天ぷら、キャベツがこってりしたスープにからんで、うまかったなあ」と、子どものころに食べた味を懐かしむ“とばたっ子”も多いようです。 戸畑チャンポンは一般のチャンポンとはひと味ちがいます。チャンポンといえば、太いゆで麺をイメージしますが、戸畑チャンポンは蒸した細麺を使うのです。麺は1度蒸しているので、熱いスープにからんでもサラリと淡泊。ツルツルしたのど越しです。そして、もちもちとしていてコシがあり、それがスープのこってり感とマッチして独特の味わいとなります。
戸畑ちゃんぽんのルーツ
「チャンポンは中国から伝わった中華料理」と思ってはいませんか? 実は、チャンポンは日本で生まれた料理。長崎の中華料理店「四海楼(しかいろう)」の店主が、料理を作るときに出る野菜くずなどの再利用として考案したのが始まりです。 戸畑チャンポンが、細蒸し麺を使う独特のチャンポンになってきたのは、昭和14年ごろ。八幡東区の中華料理店主・王福山さんが指導し、田中製麺所(戸畑区牧山)が独自に研究を重ね、細蒸し麺が完成。そしてこの細蒸し麺が評判となり、戸畑や若松の多くの食堂や家庭の食卓に広まっていきました。 「昔はリヤカーで売っていたから、戸畑・八幡東・若松くらいまでが限界でした」と、同製麺所の田中龍さん。戸畑チャンポン発祥の理由はここにあるようです。
モチモチの食感「細蒸し麺」
細蒸し麺の製造過程は以下の通り(写真(1)~(4)参照)。
  1. 木の枠に“みす(竹を編んだ敷物)”を敷いたせいろに仕切りを乗せ、生麺を入れてほぐす
  2. (1)を重ねて、強い蒸気で蒸す
  3. 風を当てて乾燥させる
  4. ひと玉ずつ切り離して、できあがり
“蒸す”ことによって、ゆで麺とはひと味ちがう、麺のうまみが引き出せるとのこと。
この“モチモチ・サラリ”の細蒸し麺は、戸畑チャンポンには欠かせません。
ちゃんぽんで町おこし
「“とばたっ子”の懐かしい味、この独特のチャンポンをもっと多くの人たちに食べてもらいたい!」と、戸畑ではいろいろな活動が行われています。 戸畑区役所勤務の9人で、平成5年に「喰いしんぼうの会」を結成。特徴ある麺のルーツを探り、「戸畑チャンポン」と命名しました。そして「チャンポンマップ」を作成。浅生通りを中心に、半径300m以内の主なチャンポン店を紹介するマップを作り、駅などで配布しました。 また、平成14年に結成された「戸畑チャンポン名店会」では、“戸畑チャンポン”の文字が書かれた黄色の幟(のぼり)を作成(右上写真)。戸畑チャンポンが食べられる店に統一の幟を立て、“戸畑チャンポン”というネーミングの定着を目指しています。 やさしく、懐かしい味わいの“戸畑チャンポン”。食べたことがないという人は、ぜひ1度味わってみて!

(5)蒸してあるので、湯通ししてほぐすだけ

(6)トンコツ系のスープ

(7)たっぷりの野菜を炒め、スープと合わせる

(8)できあがり

リビング北九州2005年2月26日号掲載 ※この情報は掲載時点のものです