> > 僕が見た被災地 > 変わりつつある南三陸町の“現在”

昨年に続き、今年の年末年始は南三陸町で上山八幡宮の初詣のお手伝いをしてきました。今回僕が率いる「F.K.Arms」は、北海道から沖縄まで全国からボランティア約20人が参加。12月27日に北九州を出発。各地で彼らをピックアップしながら29日南三陸町に到着しました。
6月に訪れて以来となる南三陸町は、町の様子が変化していました。一番僕の目を引いたのが、海沿いに山積みになっていたガレキがほぼなくなっていたこと。その代わりにコンクリートが山積みになっていました。津波で被災した建物が解体された後に残っていたコンクリートなどの基礎部分の撤去が、ようやく始まったところなのです。

写真はいずれも今年1月の様子 (撮影/高松伸一)

建物などほとんどなく、地面だけが広がる町を目の前にしても、初めてボランティアに参加した若者たちは、かつてここで何が起こったのかピンとこない様子でした。それもそうでしょう。あまりにも何もないのです。  あの日、津波に飲み込まれたこの町では、900人もの人が犠牲になりました。一瞬で人が消えていく恐怖を忘れてはいけないのに、僕は彼らにうまく伝えることができない。もどかしい気持ちでいっぱいでした。
しかし、初詣に訪れた町の人たちと話をするうちに、彼らもたくさんのことを感じ取ってくれたようです。昨年の参拝者は約60人でしたが、今年は数えきれないほどの人たちが訪れてくれました。「ご苦労様」「ありがとう」と声をかけてくれ、その表情も明るいものでした。僕たちの存在を知ってくれている人も増え、「ボランティアの人にどうしても会いたい」と言ってくれる人も多くいました。
昨年は喪失感、絶望感、苦しいときの神頼み…そういったものしかありませんでしたが、今年は明るさ、前向きな気持ちというものを感じ取ることができました。町だけでなく、人々も変わりつつあるのです。  「ここで出会った“人のぬくもり”。それをお土産として持ち帰ってほしい」と僕は彼らに話したのでした。
  三助プロフィル…宮城県南三陸町で活動するボランティアグループ「F.K.Arms」リーダー。普段は公立中学校で勤務