> > 僕が見た被災地 > 被災地の神社で初詣のお手伝い

宮城県南三陸町でボランティア活動する三助さんが、実際にその目で見てきた被災地の様子を紹介するコラムです。
  ◇        ◇ 12月下旬から再び南三陸町へ向かいます。活動目的は上山八幡宮の初詣のお手伝いです。今年の正月も初詣支援ボランティアをしたので、今度で2回目。そこで今回は今年の初詣の様子を紹介します。
昨年は全国から参加してくれたボランティア約20人と一緒に12月29日から初詣の準備を開始。竹を伐採して境内を照らすための竹灯篭を作り、参拝者が寒くないようドラム缶でたき火をするためにがれきの山でたき木を集め、絵馬を手づくりしました。竹灯籠に入れるロウソクは僕が勤める中学校の生徒が協力して持ち寄ってくれたものを使いました。
迎えた大みそか、“復興元年として新年を新しい気持ちで迎えよう”という思いを込め、境内に竹燈篭で『新』という文字も作りました。また、神社への安全誘導として神社へ繋がる道に、かがり火も準備。本来は巫女(みこ)さんの仕事であるお守りの販売なども、巫女さんが被災したのでボランティアが担当しました。
家がない、そして人がいない町は、本当に光がありません。僕は安全誘導をしていましたが、真っ暗な町から高台にある上山八幡宮を見上げると、神社だけがやわらかい光に包まれていました。例年なら元日だけで約600人の初詣客が訪れるそうですが、宮司から身内に不幸があった人は初詣に来られないこと、仮設住宅が神社から遠いことなどで多くの参拝者は望めないと聞いていました。この町の人は誰もが近しい人を震災で失っています。もし誰も来てくれなかったら…という不安はありましたが、それでも初詣に行きたいと思った人がこの明かりを目指して足を運ぶことができる、そんな場所を提供できただけでいいと思っていました。
だから最初の参拝客が来た時の嬉しさといったら! 僕たちボランティアの心にも「やってよかった」というあたたかい光がともったようでした。1年目となる今年の正月は、最終的に約60人が参拝してくれました。来年の正月はどれだけの人が訪れてくれるでしょうか。そしてどのような出会いが待っているでしょうか。次回は南三陸町の“現在”をお伝えします。
  三助プロフィル…宮城県南三陸町で活動するボランティアグループ「F.K.Arms」リーダー。普段は公立中学校で勤務