> > 僕が見た被災地 > さまざまな問題点が浮かび上がる被災地の現状(2)

多くの高校生が熱心に耳を傾けてくれました

宮城県南三陸町でボランティア活動する三助さんが、実際にその目で見てきた被災地の様子を紹介するコラムです。
  ◇        ◇ 7月下旬、小倉北区の高校で講演を行いました。僕たちF.K.Armsの活動について、また、6月中旬に東北地方を訪問した時の現地の様子を約3時間にわたって話しました。屋根の上で抱き合ったまま津波に流されていった幼い姉弟の姿など、このコラムで紹介したエピソードも話しました。北九州に住む高校生たちにとっては初めて聞く話ばかりで、ショッキングな内容も多かったはずです。
その中で高校生から「被災者が一番欲しているものは何か」「自分たちが寄付したお金は被災地の人たちへ届いているのか」などの質問が投げかけられました。この答えが現在被災地で浮かび上がっている問題へ深くつながっているのです。  僕は6月に被災地を訪れた際、現地の人たちといろいろな話をしました。そして彼らが一番欲しているものは「仕事」だと知りました。しかし、被災地には仕事がありません。30歳を過ぎると減り、35歳を過ぎると完璧にないと言ってもいいそうです。それならば農業をしようと思っても土地が潮に浸かっている。漁業をしようと思っても船がない…。働きたくても働けない状態が続いています。
震災から1年以上が過ぎ、ようやく寄付金が被災者へ広くわたりはじめています。しかし、家庭単位で配布されるため、まず家長であるお父さんにわたります。それを家族に渡さず、パチンコや風俗などで使ってしまって、奥さんにとがめられると暴力を振るう人もいます。それが原因で家庭不和になり、荒んでしまった子どもの非行が増える…。この負の連鎖が被災地で大きな問題となっています。
講演の最後に1人の生徒が感想を述べてくれました。その中に「東日本大震災のことを身近に感じることもなく過ごしてきたが、講演を聞いて他人ごとではないと思った。一人ひとりを助けることはできないけれど、1日1日を大切に生きて自分たちができることをやっていきたい」という言葉がありました。
僕も同様に感じています。被災地で問題となっている負の連鎖は僕個人の力ではどうすることもできません。「自分たちの義援金が東北をダメにしているのではないか」と感じることすらあります。それでも被災地の人々のために自分たちができることをやって復興の日まで支え続けていこうと思っています。
  三助プロフィル…宮城県南三陸町で活動するボランティアグループ「F.K.Arms」リーダー。普段は公立中学校で勤務