> > 僕が見た被災地 > さまざまな問題点が浮かび上がる被災地の現状(1)

かつて住宅が建ち並んでいた名取を高台から眺める

宮城県南三陸町でボランティア活動する三助さんが、実際にその目で見てきた被災地の様子を紹介するコラムです。
  ◇        ◇ 6月16~18日、仙台市、南三陸町、石巻市を訪問しました。福岡市消防局の森田浩章さんや書家の吉田真紀さん(九州国立博物館のロゴマークなどを手がけている)ほか仲間も一緒です。
今回の大きな目的は、真紀さんの書を通して被災地の人たちを勇気づけようというものでしたが、僕には現在の東北の状況を自分の目で確かめてくるという目的もありました。
仙台空港で出迎えてくれた庄司恵子さんは、震災後から真紀さんと交流がある女性です。彼女の自宅に向かう途中、壊滅的な被害を受けた名取市に立ち寄りました。右上の写真では建物がなく、平坦な土地が広がっていますが、この一帯は住宅密集地だったといいます。多くの人の生活を一瞬で変えてしまった地震と津波の恐ろしさを、まざまざと見せつけられた気がしました。そして、ところどころ生えてきている草に、大地のたくましさを見たのでした。

完成した看板を持つ庄司さん(写真左)と
真紀さん(同右)

庄司さんの自宅は震災で1階の天井くらいまで被害を受けましたが、現在は工事も終わっています。しかし、彼女のように自力で修理できるような人はごくわずかです。仮設住宅に入らず、半壊した自宅で生活している人がまだまだたくさんいます。しかし、被災地に働く場所は少なく、収入源もありません。そんな状態の中、被災者が自立することはとても困難なことです。今回被災地を訪れ、浮かび上がってきた問題の一つがこのような「お金」のことでした。
庄司さんは同じような境遇の人たちが集まって何かできるような場所をと、自宅の倉庫を改装し、開放することにしました。ここで全国から寄付されたはぎれを集め、手芸が得意なお母さんたちがエコバッグといった商品を作って販売しています。いい機会なので、グループ名の「つぎはぎすっぺっ茶」の文字を真紀さんと庄司さんが共同で書き、看板を作りました。この看板が前に向かって進もうとしている被災地の人たちの支えになることを僕は願っています。
  三助プロフィル…宮城県南三陸町で活動するボランティアグループ「F.K.Arms」リーダー。普段は公立中学校で勤務