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ふっきる力

「はじめは怖い先生かと思った」 悪い気はしなかった。

ある時気がついた。要するに不機嫌な顔をしているだけだと。そういえば結婚する前に今の妻に言われた。「暗い顔して、何かカゲがあるわね」。今はそうでもないらしい。この頃はカゲよりハゲの方が気になる。

ゼミで「機嫌」の話がでた。機嫌のよい悪いと、頭のよい悪いの組み合わせで4種類の人がいる。女子学生が「うちの父はアホで不機嫌。だから苦手です」といった。40代以上の男性と思春期の子どもが不機嫌チャンピオンとされる。

なかには不機嫌だと得をするので、わざとそうしている人もいる。不機嫌は欠点を隠す機能がある。不機嫌だと社会性のなさや弱気がベールに包まれる。周りが気を遣ってチヤホヤする。役割が上がるとそれを注意する人もいなくなり、ますます「不機嫌上手」になる。

「べつに」ですます思春期の子には、キチンと言わないといけない。「そんなコミュニケーションはないでしょ。きちんと応えなさい」と。でないと、そのまま大学に来て就職時に苦労する。上機嫌で頭がよいのが一番ですよと教えないといけない。

怒りたいことや不安が多いからこそ「上機嫌力」が必要だとされる(齋藤孝「上機嫌の作法」角川書店)。そのためには、まずは身体(顔)を上機嫌モードにしたてることだという。コツは(1)相手の目を見る(眼くばり)。(2)口もとニッコリ、ほっぺに力(口まわり)。(3)とにかくうなずく(首)。これを癖にまで習慣化する。不機嫌な人は「目を合わさない・笑わない・うなずかない」が特徴である。

次に上機嫌力には「ふっきる力」が必要。そのためには、(1)断言力がいる。「私にできるかしら?」では不安になる。「私はできる!」と断言する。「確定・肯定する」と次に行くエネルギーが湧き起る。(2)自画自賛力がいる。自分を誇るうぬぼれではなく、自分の生んだものにほれぼれする力。「すごい画だ。二度と描けない」。自画自賛が癖になると、生きていること自体楽しく上機嫌になる。私も断言しよう。

「妻には勝てない。頭はハゲる。でもステキ」これでいつも上機嫌。

中島俊介さんプロフィール

 北九州市立大学名誉教授
 臨床心理士・エッセイスト