> > 乳がん受診率UP大作戦(1)_copy

昨年、1月に兄を食道がんで亡くしました。9月には姉が胃がんと診断を受け、現在も闘病中です。 8月には義母も乳がんで亡くしたため、一通りの検診を受けようと思いました。 たまたま、マンモグラフィと大腸検査の無料クーポンもきていたし…。

10月末、検診センターで採血、検尿、心電図、胸写に加え、オプションで子宮がん検査、 ヘリコバクターピロリ、乳房超音波(エコー)を受けました。 私は貧乳なので、マンモグラフィはちゃんとできるかな…という思いと、 場合によっては超音波のほうがよくみえることがあるとの認識があったので、 乳房超音波も受けることにしました。

検診から2週間後の11月中旬に紹介状とともに送られてきた乳房超音波の結果は、いわゆる乳がんの疑い。 でも、マンモグラフィの結果もきてないし…。

検診の1ヵ月後に来たマンモグラフィの結果は、異常なし。 双方の結果を持って、紹介状とともに同封されていた病院のリストから、乳腺科があり、 自宅からも行きやすく信頼のおけそうな病院に、 “がんではない”確認をするために行きました。

初診では、マンモグラフィと乳房超音波の再検査。左は問題なし。右は…乳腺症でしょう。 乳腺内に腫瘍があり、乳房MRIをすれば確認できるとのこと。 大したことはない印象でしたが、せっかくだからと後日、乳房MRIを受けました。

2回目の診察で、異常なしの予定が、「右乳房にフィフティー・フィフティーで怪しいところがあり、 左乳房にみられる石灰化とは明らかに違う。 マンモトーム生検(※)で、悪性か良性かの診断が必要」とのこと。 マンモトーム生検はすんなり終わりましたが、ドクターが「硬い、硬い」と言っていたのが、とても気になりました。 でもネットで調べたら、マンモトーム生検で悪性と出るのは2割とあり、あまり心配はいらないのかもと感じていました。 ※マンモトーム生検…超音波やマンモグラフィを見ながら、疑わしい部分に針を刺し、組織の一部を吸引採取して行う検査

3回目の外来受診で言われた診断名は、「乳がん」0期(乳管内にとどまっている、極めて早期のがん)で、手術の予定。 主人に電話して、ムンテラ(※)日、手術日の調整。乳がんになることは考えたことがなかったから、びっくりです。 ※ムンテラ…口(mund)+治療(therapie)から派生した和製ドイツ語で、医師から患者本人やその家族に対して行う病状や治療内容、今後の見通しなどについての説明のこと

年末、4回目の外来受診で、主人とともに、病状のムンテラと手術の説明、術前検査を受けました。 右乳房に8mmの腫瘍あり。 0期の非浸潤がん。 転移なし、おとなしいタイプのがん。 かなりショックでしたが、早く見つかったことに感謝しました。

手術は部分切除を提示され、切除して凹んだ部分に形成外科に協力を得て、真皮移植をすることも可能との説明も受けました。 そのほか凹みの程度や移植後の入院期間の延長(+5日くらい)、手術後の1週間、歩行できず車椅子使用、放射線治療の開始が3ヵ月延期など…。

1月中旬に入院して、翌日に全身麻酔下で、右乳房部分切除術を受けました。 当日は緊張で下痢をするし、手術の恐怖がマックスでした。 手術ではリンパ節転移も認められず、傷も乳輪とセンチネルリンパ節(※)創、ドレナージ(※)部だけですみました。 術後の家族ムンテラも予定通りの手術で大丈夫とのこと。 ※センチネルリンパ節…リンパ管に入った乳房のがん細胞が最初にたどり着く腋のリンパ節 ※ドレナージ…体内に貯留した消化液、膿、血液や浸出液などを体外に排出すること。 排出されたものを通して創傷部の状態を観察、確認し、治癒を促し、感染を早期に発見する目的で行われる

翌日、朝から歩行開始して、すぐに回復しました。 術後4日目にドレーン(※)抜去。 術後5日目に退院。 手術から2週間後に乳腺外来を受診し、抜糸。 そしていよいよ病理の説明。 標本を写した画像を見ながらの説明。 正常な細胞はピンク色に、がんは紫色に写っていました。 8mmのほかに6mmのがんがもう1つあってびっくり。 しかしきちんと切除されており、問題なし。 抗がん剤やホルモン治療は必要ないだろうけど、部分切除のため放射線治療は行いましょう、とのこと。 ※ドレーン…排液管

定期外来は6ヵ月から1年ごと。 放射線治療とホルモン剤治療、1ヵ月から3ヵ月ごとの外来を覚悟していたので、そんなもんでいいのかしらと思いました。 あくまで理論的には、「がんはなくなった」。しかし再発しないかずっと心配。 でもそれは、がんでない人ががんになるのと変わらないかな。

これからどうなるかわからないけど、手術前と何も変わらない生活を送れてなによりです。 腕もしっかり上がります。46歳の私は、たまたま乳房超音波を行ったことで早期発見ができました。 こんなに早く見つかるのは、10人に1人もいないとも言われました。

検診は受けてみるものですね。 今は、仕事しながらの治療でいっぱいいっぱいですが、検診で助けてもらった命という自覚があります。 看護師のかたわら、私にできる乳がん検診啓発の取り組みに協力しようと考えています。

ペンネームりんごママ

マンモグラフィと超音波検査は、それぞれ得意な対象が異なります。 どちらを受けるか、あるいは併用するかは乳腺専門の医療機関に相談を。 国の指針では40代以上に隔年のマンモグラフィ検査が基本です。 しかし日本人の40歳代の乳がんについては、マンモグラフィだけでは限界があることが指摘され、 厚生労働省が2007年から「がん対策のための戦略研究 – 乳がん検診による超音波検査の 有効性を検証するための比較実験(J-START)」を始め、有効性の検証を進めています。

この記事をきっかけに、乳がん検診に行ってみませんか。 そしてぜひ、体験したことや感じたこと、読者へのメッセージを送ってください。 「記事を読んで検診に行った」という人の体験を、随時紙面で紹介していきます。 メール=fukutoukou@lisa.co.jp ※ペンネーム、年齢、連絡先も明記してください ※コメントは「リビング福岡」の紙面やHPで使わせていただきます

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リビング福岡2014年4月12日号掲載