> > 技ありの人間関係 > えん(円)を大事にする教師
 
 
 
 
「親友がいません」と相談にくる学生には、付き合い方の根本を見直すようにと助言している。人間関係はわずらわしいという態度を改め「縁」の考え方をプラスするようにいう。三角形の面積で説明している。
 三角形の面積は「底辺×高さ÷2」。なぜ2で割るか。「底辺×高さ」で倍の四角形の面積が出るから半分にしないといけない。目の前の3角形の面積を解決するのに目に見えないカゲのサンカク形をいったん想定する。このカゲのサンカク形が「縁」である。

現世だけでなく、前世や他の世まで考えるとき、目の前の人との結びつきを深く考えるようになる。これを「他(多)生の縁」という。どんな小さなことや、ちょっとした人との交渉も偶然ではなく、すべて深い宿縁(他生の縁)によって起こるからおろそかにしてはいけない。
小学校の新任教師時代。クラスで1冊のノートを家から家へと回覧していた。教師への要望や意見、子どもの様子など何でも書けるノートである。
 あるとき私の書いた語句が訂正してあった。ノートの意義を説明したことわざ「袖振り合うも他生の縁」を「“多少”の縁」と間違っていたのだ。浅い認識を恥じた。それ以降私は縁を重んじる教師になった。

先日も忙しいときに限って来る学生に、縁を感じて丁寧に応じた。「私は相談のプロだから、質問2つにつき1000円にしたい」。それを聞いた学生「えっ! 学生の質問にお金を取るなんて、おかしくないですか?」「君の言う通りおかしいと思う。それでは2つめの質問を聞こうか」。