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とにかく暗かった。若い頃「オッサン」と呼ばれていた。昔を知っている妻によれば「よく言えばカゲのある。正しく言えばほんとに表情が乏しかったね。みんな話しかけにくいと言っていたもの」と言われた。
そういえば大阪の教師時代に保護者会で言われた。「子どもが怖がっているので、標準語ではなく関西弁でしゃべってください」。その時は九州男児に無理言うな、と思ったけれど。親しみにくいということだったのだ。ずいぶん気をつけているけれど、今でも学生から「怖い・とっつきにくいと思った」と第一印象の悪さを言われる。
どうして表情が固かったのか。古い記憶をたどってみた。これかもしれない。小学校5年生の2学期。担任の代わりに来た男の先生からいきなり「なにニヤニヤ笑ってんだ!」と頭をこづかれたのだ。びっくりしたしショックだった。ふざけているつもりはなかったし、優等生的だった私はそんな扱いを受けたこともなかったからだ。気の小さい性格も重なり、それ以降意識して固い表情をするようになった。
心理学からも顔の表情や見た目の効果は全体の印象の55%という報告がある。以前、暗いと言われ悩んでいた人が見違えていた。返事と笑顔をセットで「はい、ニコッ」とするようにしただけと言う。「笑って青山を仰げば、山また笑う」。こちらが笑顔を作れば相手もニッコリ笑うのだ。
近頃では、鏡に向かってニッと笑う練習をお風呂でしている。家族の言葉にも負けない。「昔はカゲがあったらしいけど、今はハゲやね」。カゲ口にもニッ!