> > 技ありの人間関係 > 言葉の力は生きる力
 
 
 
 
かっこ良さや他人の評価ばかり気にする私は34歳の時に、医学部にあこがれて受験を思い立った。先輩に相談した。先輩は妻子4人の年齢を聞いた後、「君は戦闘機乗りじゃないよ。家族を乗せた旅客機の操縦士だ」と言った。そして厳しい顔で「急上昇・急降下したら、乗っているお客は血ヘドを吐くよ」。人に役立つより尊敬されたいだけの心を見透かしての言葉だった。「乗っているお客は血ヘドを吐くよ」。この言葉でわれに返った。虚栄心から自分のことしか見えてなかったのだ。言葉には迷いを断ち切り、人を是正する力がある。
社会人学生に「なぜ大学で学ぼうと思いましたか」と尋ねた。「会議などで自分の考えをきちんと言えずに悔しいと思ったからです」と答えた。言葉には自分の考えを伝え自分を守る働きもある。
映画「明日への遺言」に感動した。堂々と自分の正義を語り、部下を守りきった岡田中将の実話だ。彼の言動は深い仏教哲学に加えて、若い頃に英国に留学し英語を話せたことと無関係ではないと思った。身に付けた言葉の力によって人の命まで救うことができる。
ジョーク集で見つけた話。夫を守ろうと切り返す、妻の言葉の力はすごい。まるで私の家でありそうな会話。その母親は毛皮のコートを買ってきて喜んでいた。それを見た自然保護派の娘は言った。「お母さんがそうやって喜んでいるカゲで、かわいそうな動物が泣いているのよ」。それを聞いた母親は、娘をキッとにらんで「お父さんのことをそんな風に言うもんじゃありません!」。