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ささいなことで妻と言い合う。あとで落ち込む。妻に勝とうとする自分の幼さにガッカリする。オヤジの口癖は「人に勝とうと思うな。自分に勝て!」だった。でも、これは難しい。自分に勝ったら、負けた方の自分はかわいそう。「自分に勝つ」とはどういうことなんだろう。
先月、「朝日記」が1年間続いて昨年の今日とつながった。嬉しかった。3年・5年連用日記に何度も挑戦して、1年ももたずにダメだった。それが「同じ場所で、同じ時間に、3分間で朝書く」という「朝日記」で1年間続いたのだ。A5サイズ20穴のバインダーの色違い12冊1年分を準備して始めた。
1冊のバインダーに1カ月分の用紙をとじてかばんに入れておく。朝の通勤電車の中で3分間で書くのだ。“がばいばあちゃん”の言う通り、夜書くとゾロゾロと反省や恨みつらみが出るところ、朝日に照らされながら書くと明るく書けるから不思議。とにかく「今日も元気に走り抜け!」などの軽いノリで、ポジティブに書く。
この朝日記のやり方を教えてくれた本は、「『朝』日記の奇跡」(佐藤伝著、日本能率協会マネジメントセンター出版)。その本には、朝日記を書けば奇跡が起きると書いてあった。振り返ると多くの奇跡は起きていた。まず、今までできなかったのに1年間日記を続けられた。そして、このコラム「技ありの人間関係」の文庫本は昨年4月に出版してすぐに増刷。ありがたいことにまだ売れている。天災や事故多発時代にこうやって生き続けていることが奇跡だと思えてきた。妻も美人薄命と言いながらまだ生きている。
2年目に入ると朝日記は不思議な力を発揮しだす。今朝の気持ちを昨年の朝の日記の下に書くので、毎朝1年前の自分と出会うことになるのだ。今の気持ちを書こうとすると、その上に書いてある昨年の私が話し出す。例えば、今朝書こうとしたら昨年の私は「夢をなくすと人生を失う」と言っていた。夢は大切なのに見失っていた。近頃元気の出ない原因はこれだったのだ。
オヤジの言った「自分に勝て」とは「自分をやっつけろ」ではないのだ。「過去の自分と対話しろ」ということだったのだ。私は決意した。妻に勝つより自己成長だ。来年の私に向けてのエールを、毎朝最後に書き残すことにした。「妻は女神。オガミなさい」。これで来年、妻に勝てる。「えっ!? 自分に勝てとちゃうんかい?って」。でもやっぱり妻には勝ちたい。だって「夢をなくすと人生を失う」から。