> > 親子でコミュニケーション術 > あいさつに一言つけて「敬語化」させよう
 
 
 
 

子どもたちと敬語について考えました。「おはよう」「ありがとう」と黒板に書き、まず、次のような会話をしました。「敬語にしたい。どうする?」――子どもたちは「おはようございます」「ありがとうございます」と答えました。
「そうですね。目上の方やあらたまった場では敬語がいいですね。使っていますか?」
――子どもたちは、「当たり前…」といった顔をしていました。
 「では、『こんにちは』は?」「…」「もう一つ、『さようなら』は?」「…」
――子どもたちの顔が変わりました。
 「困ったなぁ。『こんにちは』も『さようなら』も目上の方やあらたまった場で使いますよね。どうしたらいい?」

子どもたちも考えます。「姿勢をよくして言う」「目で尊敬の気持ちを表す」「声をていねいにする」「あいさつ言葉の前に、『先生』とか『○○さん』とかをつけていっしょに言う」。どれも認めました。でも、どこかしっくりいかない感じでした。
 その時、一人の男の子が、こんなことを言いました。「あいさつの後に、敬語の一文を付け加えればいい」。
「すばらしい。例えば?」私のこの問いかけに、「こんにちは。今日もよろしくお願いします」と、その子が答えました。子どもたちの顔が、「なるほど」といった顔に変わりました。
「では、さようならは?」「さようなら。明日もよろしくお願いします」「そうですね。あいさつに一言つけ加えて“敬語化”するといいですね。今日からすぐにやってみましょう」
その日から、「○○先生、こんにちは。クラブ活動では、よろしくお願いします」「○○先生、すみません。図書室のかぎを貸してください」「○○先生、さようなら。今日、そうじ時間はありがとうございました」といったあいさつ言葉が、いたる所で聞こえてきました。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。