> > 親子でコミュニケーション術 > 相手や目的を考えて話させよう
 
 
 
 

毎日の授業では、お互いの意見を交換させ、問題を解決したり考えを深め合ったりする場面がたくさんあります。そこには、“誰に、何のために話すのか”という相手意識や目的意識が必要です。
しかし、多くの子どもは、ただなんとなく先生やみんなに話しているだけになりがちです。「私は、~です」「ぼくは、~です。~だからです」…と、自分の意見を「声に出す」だけになっているのです。一方通行のコミュニケーションになっているのです。ですから、意見のかみ合った「話し合い」にはならないのです。 みんなで学び合う学習にならないのです。
そこで、まず、「誰に聞いてほしいのですか? その相手を意識して発言しなさい」と指導します。つまり、「○班の人に聞きます」「僕の発表の後に、○○さんは反対意見を言ってください」などと、話す前に「誰に話すのか」を言わせるのです。
このように書くと、「○班や○○さん以外の子どもは自分には関係ないと思ってしまうのではないか」と思われる方もいるかもしれませんが、子どもたちはその発言のやりとりを集中して聞きます。いつ自分にも意見を求められるか分からないからです。緊張感が教室の中に広がります。全員参加の「話し合い」の状態が生まれ始めてくるのです。
そうなってくると次には、「相手にどうしてほしいのか考えなさい。そのための言い方を工夫しなさい」と言って、文末表現を工夫させます。「です」「ます」から、「~ではないですか?」「~ですよね」「~となるでしょう」などの問いかけを入れさせるのです。
そうすると、一方通行の発表から双方向の話し合いに近づいてきます。自分の意見に納得してもらおうと、表情や声に力が入ってくるのです。教室が、みんなで「考え合う」場になってくるのです。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。