> > 親子でコミュニケーション術 > 姿勢の大切さを教えよう
 
 
 
 

教室内で子どもたちが話す機会はたくさんあります。みんなの前に出てスピーチをしたり、発表をしたりする学習活動は全学年で行っています。落ち着いた姿勢で聞き手に対することができる子どももいますが、多くは体を小刻みに動かしたり、下を向いてモジモジしたりといった状態になってしまいます。
今の子どもたちの姿勢は、決していいとは言えません。背筋を伸ばして相手と向き合うことが苦手なようです。
 コミュニケーションにおいて、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の速さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であるといわれています(メラビアンの法則)。姿勢は、大きな比重を占める視覚情報に入ります。とても大切です。
4月の始業式から、毎日1分間の「気をつけ」の練習を帰りの会でさせています。ストップウォツチを片手に持ち、全員を立たせて行うのです。その時の合言葉は「下半身はどっしりと、上半身はゆったりと」「床に両足の裏をピタッとつけて」「天上から1本のひもが頭のてっぺんに伸びてきて、ピーンと吊るされている感じで」などです。数カ月もすると多くの子どもが相手と正対できる美しい姿勢ができるようになってきます。
もちろん授業中も、「背を3cm高くしなさい」「5年生として最高にかっこよくしよう」「心の芯をビシッとさせます」などと声かけをします。学ぶことへの心と体の構えが育ってきます。教室の中もピリッと引き締まってきます。
半年も過ぎると、子どもたちの中から、「友達と意見や考えを体全体で聴き合えるようになってきた」という声も出てくるようになります。
 お互いが気持ちよく伝え合うことを楽しめる姿勢が、普通にできる子どもに育てたいものです。相手に失礼のない姿勢を場に応じて続けること、それがコミュニケーションのスタートでもあると考えます。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。