> > 親子でコミュニケーション術 > 自分のことを自分の言葉で話させよう
 
 
 
 

自己紹介をする機会は、子どもたちにもたくさんあります。ところが、学年が上がってもその内容には自分らしさが感じられないことが多いようです。
 例えば、「5年1組の○○です。よろしくお願いします」

と、最初の一人がありきたりの内容を話すと、その後に続くほとんどの子どもが、その子どもと同じことしか話さない(話せない)のです。
 「5年1組の△△です。よろしくお願いします」「5年2組の□□です。よろしくお願いします」といった自己紹介が延々と続くだけなのです。つまり、「自分の言葉で自分を語れない」のです。

先日、ある出版社の編集長とライターが教室に来られました。取材は半日あるということもあり、子どもたちに、「突然ですが、自己紹介をしてもらいます。32人いますから、ダラダラ話さず名前とプラス一言にします」と言って、最初の一人だけをを突然指名し、全員に続けて話すように指示しました。
「ピアノがなかなか上達しない○○です」「盛り上げ役の△△です」「野球で打つのは上手なのですが、足が遅い□□です」「女の子なのに男の子とよく遊ぶ○△□です」――32人が、このように自分のことを途切れることなく話したのです。これにはお客さん2人だけでなく、私も驚きました。
 「すばらしい! 腕をあげましたね。よかったところを4つ言います。あなたたちの “宝物”です」
 全員が終わった後にこう言って、4つの「宝物」を黒板に書いてほめました。
 (1)自分から進んで行った
 (2)人と同じことを言わなかった
 (3)ユーモアを交えて話した
 (4)明るくハキハキと話した
 自分のことを自分で話す習慣を子どものうちからつけさせることは大切です。親や周りの大人が代弁すると、その習慣はなかなか身につきません。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。