> > 親子でコミュニケーション術 > 人と意見を区別させよう!
 
 
 
 

担任したばかりの4月ごろ、次のような授業場面がよくあります。数名に意見を発表させている時、順番が回ってきた子どもが、「前の人と同じです」「○○さんといっしょです」とだけ言って座る場面です。ノートに書かせて、それを読ませる場合でも同じように言ってすまそうとするのです。
 数日前にもありました。指名した男の子が、「同じです」
と言って座ろうとしました。その後の私と男の子とのやり取りです。
 「『同じです』と書いてあるの?」
 「いいえ…」
 「書いたとおりに言ってみて」
 「作者は、自然の広大さを伝えようと思った…」
 「同じじゃないじゃない」 
 「はい…」
 その後、全員に向かって、「『同じです』『いっしょです』は、認めない。このことは、ちゃんと法律に書いてある」と、厳しくもユーモアをこめて話しました。
 “意見”を書かせた場合に、「同じです」「いっしょです」という可能性はほとんどありません。これを認めると安易な方向に流れ、自分から考えない子どもが育ってしまいます。
子どもは(も)、人との違いを極端に嫌います。表現する場合に特にそのことが出てきます。だから、表現内容も同じようにしようとし、それで安心してしまう傾向があります。
 恥ずかしがり屋の子どもは、自分の意見がみんなと違うと、まるで自分のすべてを否定されたように感じて自信をなくしてしまうのでしょう。そんな時は、きっぱりとその考え方は違うと話して、「人と意見は別である」と教えるべきだと考えています。
 自由に安心して会話や対話を楽しむためには、この考え方は大切です。子どもの年齢に合わせて、分かるように教えてあげたいものです。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。