> > 親子でコミュニケーション術 > “クッション言葉”を教えよう
 
 
 
 

掃除時間のことです。クラスの女の子に職員室にお手伝いを頼みました。ある“秘策”を与えて…。女の子は、「先生、何かたくらんでいるな…」という顔をしながらも、にっこり笑って教室を出て行きました。  掃除後の5時間目に、その女の子に職員室で話したことを言ってもらい、黒板に書きました。
 A「○○先生、お忙しいところすみません。今、よろしいですか?」
 B「ゴミ袋を1つください」 
 C「お忙しいところ、ありがとうございました」
 書いている途中にほかの子どもたちから、「大人みたい」「礼儀正しい」といった声が聞こえてきました。女の子の顔が少し赤らんできました。
 「あなたたちが“普通”に言うのはABCのどれですか?」「B」
 「○○先生、つまり相手を大切にしているのは?」「AとC」
 「○○先生の気持ちをやさしくした言葉は?」「AとC」
 「AやCのような言い方、もう5年生だからいくつか知っているでしょう。ノートに書いて持って来てください」
いくつかのやり取りの後に、こう指示しました。
 ・ お仕事中に申し訳ございませんが
 ・ 今、お願いしてもいいですか?
 ・ お手数をおかけしました
――黒板いっぱいになりました。
 子どもたちと黒板を見ながら、次のような話をしました。
 「このように、話をする前や後に、ひと言添えると人との関係を丸くする言葉、話し方があるのです。ほかにもあるね。例えば『どいて!』じゃなくて『ちょっと、どいてくれる?』とか、『悪いけど、通してくれる?』とか。人と人との関係をよくするクッション言葉ですね。それができた○○さんに拍手!」  笑顔の女の子に、大きな拍手がおくられました。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。