> > 親子でコミュニケーション術 > 「どうぞ~ありがとう」を当たり前にしよう
 
 
 
 

教室では、プリントを列ごとに配ることがたくさんあります。私が列ごとに人数分の枚数を先頭の子どもに渡し、前から順に後ろへと配っていくのです。何も言わなければ、子どもたちは、無言で受け取り無造作に後ろへと渡していくだけです。1分間ほどのことですが、教室の中は味気ない乾いた感じになってしまいます。
これをなくす有名な配り方があります。
● 「はい、どうぞ」
○ 「ありがとう」
と言わせながら、どんどん後ろに配らせるという方法です。最後に受け取る教室の端の列の1番後ろの子どもの「ありがとう」で終わるこの方法によって、教室にはかわいい声の「どうぞ」「ありがとう」が1分間続きます。教室にはやさしさがあふれてきます。

慣れてくると、この方法を少しアレンジします。ポイントは、「笑顔になるように」です。後ろに配る時と受け取る時の言葉をいろいろと変えるのです。
 例えば、「ドラえもんシリーズ」にします。
●「はい、ドラえもん、頼んだぞ!」
○ 「分かったよ、のび太くん」
● 「はい、ドラえもん、頼むよ」
○ 「いいよ、しずかちゃん、まかせてね」
というように変えるのです。どの列も笑顔がこぼれます。
「忍者シリーズ」「お侍さんシリーズ」が子どもたちには人気があるようです。
この方法をとると、テスト配りも楽しい雰囲気の中でできます。プリントなどを列の後ろから集める時も、
○ 「お願い申し上げます」
● 「合点だ。承知しました」
などと、楽しい会話をしながら行うようになります。

「どうぞ」「ありがとう」は1秒ほどの言葉です。この短い言葉を惜しまず、笑顔で当たり前に口にできる子どもに育ってほしいと思います。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。