> > 親子でコミュニケーション術 > 「問い」と「答え」を一致させよう!
 
 
 
 

話しかけて、元気のいい返事がすぐに返ってくると、言葉のキャッチボールがうまくいっているような気になります。でも、子どもの投げ返す言葉のボールは、ちゃんとこちらに返ってきていないことが多いようです。教室で交わされる具体的な会話でみてみましょう。よくある話です。
その1・清掃中
教師「そこに残っている机を、前に運んでください」
子「えーっ、さっき右側の列の机を運びました」

その2・休み時間
教師「図書室にあるエジソンの本を持ってきてください」
子「先生、僕もエジソンの本を読んだことがあります!」

一見会話が成り立っているようにも見えますが、実はどちらも、問いに対する答えではありません。「机」「エジソン」という言葉に反応しているに過ぎないのです。文章にするとすぐに分かるおかしさも、実は会話の中だと気づかないことも多いようです。
こうした「無責任な積極性」をそのままにしていると困ったことが起こります。このような子どもを、すぐに返答したことのみを評価して、「積極的な子」とクラスのリーダー的な立場を任せてしまうと、逆に後が大変です。聞く姿勢が育たないまま「リーダー」になってしまうので、当然しっかりとした対応ができないからです。やがて「無責任な子」というレッテルを貼られてしまい、本人も周りの子も苦々しい思いをすることになってしまいます。
正確に聞いているかどうかは、話し手、特に大人がしっかりと判断してあげないといけません。有効な方法の1つは「オウム返し」をさせること。「今、なんて言ったのかな」と確認してあげるといいでしょう。毎回では、子どもも嫌気がさすでしょうから、気になるときに行うといいでしょう。繰り返すうちに、子どもも意識して聞くようになります。聞く力は目に見えないだけに、根気が必要です。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。