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子どもたちの会話を聞いていると、次のようなやりとりが気になることがあります。
 A「シュートを確実に入るようにします」B「もし、シュートが入らなかったらどうするのですか?」
 A「1年生と仲良く遊んだらいいと思います」B「もし、1年生が言うことを聞かなかったらどうするのですか?」

気になるのは、「もし~だったら…」という質問です。悪気はないのですが、その時の教室は確実に気まずい雰囲気になってしまいます。
 なぜでしょうか?

それは、「もし~だったら、どうしますか?」という質問は、「~」の部分が、ほとんどの場合「マイナス」の内容であるからです。つまり、失敗したら、思い通りにいかなかったら、という「マイナス」の場合を想定している質問になっているのです。これでは、話し手に対して思いやりのある質問になっているとは言えません。
話した子どもは、「プラス」をイメージして話したはずです。その気持ちを受けとめないで、マイナスの状態を想定して質問しているのです。
このような質問を許していたら、「せっかく話したのに、その気持ちを無視された」「そんなことを急に言われても…」と思って戸惑う子どもも出てくるでしょう。  話し手の思いを受け入れて、その思いが通じたと話し手が思えるような質問をさせたいものです。
例えば、次のような質問に変えさせるのです。「シュートを確実に入るようにしたいのですね。そのための練習方法は?」「Aさんらしい考えですね。1年生のどんな表情を見たいですか?」
 子どもたちは、相手の思いを受け入れて、“気のきいた”いい質問や受け答えを考え始めます。コミュニケーションの基本である“相手を否定しない”ことの楽しさに気づき始めるのです。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。