> > 親子でコミュニケーション術 > 小さな「っ」のある返事をしよう!
 
 
 
 

子どもたちの返事の声がとても気になります。小さくて元気がないのです。そんなときは、次のような指導をします。  黒板に、「はい」と書き、読ませます。小さい元気のない返事です。そこで、「では、これはどうかな?」と言って、その下に小さな「っ」を書きます。
「はいっ」と、今度は大きないい返事になります。子どもたちの顔がニッコリしてきます。自分たちでもその違いに驚いているようです。  「なかなかいいね。では、これはどうかな?」と、小さな「っ」をもう1つ、つけ加えます。
「はいっっ」「おっ、いいね。素晴らしい。立派! でも、大きすぎるのもね…ちょうどよいのが、『はいっ』ですね。次からは、これでいきましょう」
 そして、「どんな時にこの『はいっ』の返事をしたいですか?」と問います。子どもたちは次のように答えます。

・何かを頼まれた時
・自分の名前を呼ばれた時
・ 何かをできるかどうか聞かれた時

「そうですね。では、なぜこのような時に『はいっ』の返事をしたらいいのでしょう」。子どもたちはいろいろ考えます。自由に言わせた後で、こう話します。
「『はいっ』の後に、言葉が隠されているのです。本当はあるのに省略されているのです。例えば、何かを頼まれた時は、『はいっ(分かりました)』の(分かりました)が、自分の名前が呼ばれた時は、『はいっ(ぼくです、ほかの誰でもないぼくはここにいます)』、何かをできるかどうか聞かれた時は、『はいっ(します)(できます)』といったように」
子どもたちは、納得した顔で黒板に書かれている小さな「っ」を見つめます。そして、言葉の後ろにある人の思いや気持ちも考え始めます。
菊池省三先生
愛媛県出身。ユニークなコミュニケーションの授業を実践している、小学校の“スーパー先生”。スピーチ訓練を導入して学級崩壊を解決させたり、教え子がディベート大会県大会2連覇を果たすなど、その実績は全国で注目されている。平成15年度すぐれた教育実践教員表彰、平成16年度福岡県市民教育賞受賞。著書多数。